魅力的な健康指導者になるためには?

プロローグ  患者に満足をもたらす指導とは・・・

(ソーシャルスキル・ネットワーク(株)代表取締役 小森まり子の講演より抜粋)

魅力的な健康指導者とはどのような人と思われますか?

それは患者やクライアントが面接後「来てよかった」「話してよかった」と感じる指導者だと思います。たとえば病院などでは「患者様」とお呼びしていますね。ホテルのようで、すてきです。

しかし、その後の面接ではどのような展開になるっているでしょう。たとえば栄養士さんが栄養指導をされる時はどうでしょうか。

 

栄養士:「その後いかがですか」

患者:「どうしても休肝日は作れないですね〜」

栄養士:「ああ・・お酒を飲んでしまったのですね・・。」

栄養士:「えっ、3本も。それはまずいですよ。」

栄養士:「少し減らしていただかないと」

栄養士:「テンプラも!揚げ物はよくないです。」

栄養士:「油はやめてください。」

栄養士:「おやつも食べちゃったのですか。」

栄養士:「ケーキはよくありません450kcalあります。」

・・・という具合です。

 

患者様とはお呼びするのですが、「やめてください」「いけません」「だめです」という指摘・説教になっています。

さらに、「このままいくと眼が見えなくなるかもしれませんよ」「足を切断しなければいけなくなるかもしれませんよ」「透析というのをご存じですか。透析をすると1日起きに3、4時間、場合によっては5時間ぐらいの時間をかけて水分を抜くのですよ。1回に3〜5kgの体重が減ります。その時の辛さはご存じですか」「だるいんですよ、苦しいですよ。さあお帰りくださいと言われても簡単には立ち上がれませんよ」と脅かしにもなっています。

その患者さんはどういう気持ちでお帰りになるでしょうか。

患者「あーあ、また言われちゃった。栄養士さんは顔は可愛いんだけど、言うことはきついんだよね」「この病院のにおいを嗅ぐと吐き気がする」という感じです。

栄養指導はトラウマになります。

接遇というのは、それを利用された方が「ああ気持ちがよかった」「ああ安心した」「またここに来よう」というような気持ちになることではないでしょうか。 面接においても「患者様」とお呼びするだけの建前接遇ではなく、帰る時にその患者さんがどういう気持ちになるか、そこの面接技法研究がなされていないようです。病院の壁は真っ白できれいです。床もたいへんきれいです。シートもきれいです。しかし患者さんの心はたいへん傷ついてお帰りになることになってしまいます。

不摂生はなぜやめられないのか!

カウンセリングや心理学的立場からなぜ不摂生はやめられないのかということを考えてみましょう。

人は行動の背後に必ず、何らかの欲求を持っています。たとえば「飲むとか食べる」も行動です。私たちが行動をする時には、その背景に欲求というものがあります。欲求がないところに行動はあり得ません。たとえば空腹という欲求があるので食べるという充足行動をとります。そうすると食べて「嬉しいとかホッとする」とか、幸せな気持ちになります。

なぜそうなるかと申しますと、脳の中のドーパミンやセロト二ンという物質が出るからです。

喉が乾いたら飲む。お腹が痛い時はさすってみる。頭が痛い時は薬を飲んで寝てみる。背中が痛ければマッサージを受けてみる。寒いと着る。暑いと脱ぐ。行動というのは欲求にもとづいて必ず行なわれるという原則があります。

そしてそれを充足するとなんだか「気持ちがいい、うれしい、幸せ」というプラスの感情を起こす物質が出てくるからです。例に挙げたのはほとんどが身体の欲求に対してです。身体の欲求というのは比較的わかりやすい欲求です。

しかし私たちは心の欲求というのも持っています。心の欲求としては、出世したいとか、大きな家に住みたいとか、凄いやつと評価されたい、やりがいのある仕事をしたい、仕事を通して社会を明るくしたい、などさまざまな欲求があります。とくに良い仕事がしたいとか自分の人間関係とか生きがいに関する欲求というのは、身体の欲求のように具体的な充足行動がわかりにくい傾向があります。

例えば、むずかしい企画書を頼まれたとします。特定保健指導は今まさにこの「むずかしい仕事」に今ぶつかっている状態だと思います。なんとか社員あるいはクライアントのデータを変えていかなければいけない状況の中で、どういう企画・プログラムを作るかを迫られていることでしょう。

私も栄養士なのですが、これまで栄養士は給食の係的に見られていて、あまりあてにされないところがありました。医者が話をしてもいいのですが、医者は忙しいので、その代わりに栄養士さんに聞いてというような存在でした。

ところがここに来て、今回の特定保健指導では一機に栄養士狩り状態です。保健師さんもそうです。かなり昔に保健師は辞めているというような人も、定年でのんびりしているというような人もみんな引っぱり出されています。久しぶりに汗をかきながら勉強してもう一度指導に借り出されている状況になっています。

そういう時になんとか行動変容できるような企画・プログラムを作っていかなければ、今これほど注目を浴びている栄養士、保健師も、3年後、5年後に成果・結果が出なかったら「やはりだめだった」と言われてしまいます。

そうなった時には、今までは法律で保護されていていましたが、あまり役に立たないからとりあえず最低限でいいということになったら死活問題です。なんとかして効果・結果を出さなければいけない大変な状況です。

こうしたむずかしい状況の中で、これを成功させなければ私はクビになってしまうという緊張感があったり、あるいは私は過去にそれほどむずかしい人を指導で直してきたという自信もないから、どうしていいかわからない。私はどのように評価されてしまうのだろうかというドキドキ感や私にできるかしらという自信のなさ、こうした緊張が起きます。

これは社員もいっしょです。むずかしいプログラムを頼まれるということはたいへんなチャンスを与えられてうれしいことなのですが、反面、これがうまく行かなかったらどうなるのか、みんなはこれに協力してくれるのだろうか、自分は一生懸命にやっているが、はたして他の人たちの理解は得られるのだろうかという気持ちが起きてきます。

一般的な社員の例では、本来は企画書ですからどういうことをしてほしいという企画のイメージ・要望を上司からよくリスニングして、これまでの関連情報を全部集め、社会の状況を集め、気の合う人とディスカッションをして、ひらめきを待ちながらタイムスケジュールを作っていき、進めていきます。そこに全エネルギーを注いで、ひらめいて楽しくやっていかなければいけないのですが、

しかしそこまでやってもだめなのではないか、自分にはできないのではないか、結局、チャンスは与えられたが、これがだめだったら飛ばされるのではないかという気持ちが同時に働いていると、エネルギーを本来注ぐべきところではない方に気持ちがいってしまいます。

本来自分がやらなければいけない仕事、人間関係、部下の教育、上司とのコミュニケーション、家族の問題といったことに対して、その問題解決のためにきちんとエネルギーを使えば、それはうまくいきます。あるいはそのプロセスにとても新しい学びがあったりすると安心や自信となり、それがドーパミンとかセロトニンという物質を出してくれるのです。

しかしその課題に向けるエネルギーが不安に奪われると、自分にそういう力があるかとか、みんなは協力してくれるかという、ドキドキ感、心配な気持ちが生じ、夜も眠れなくなります。

眠れないと思う時に、一般的にはどのようにするでしょうか。そういう時には脳の芯が緊張しています。通常の脳は、夢を見るという脳の皮質部分は、眠っている間は脳幹部分に情報を渡しません。したがって身体は動きませんが、脳の中では色々な夢を見て、逃げ回っていたり、おいしいものを食べていたりします。そういう時には身体の神経への情報伝達はクローズされているのですが、ストレス状況が強いと、そこを伝達してしまいます。仕事で焦ったり、人間関係がうまくいかなかったりというようなストレスがあると、ライオンに追いかけ回されている夢を見たり、泥棒と闘ってる夢を見たりします。その夢を見ながら、隣に寝ている奥さんを殴ることもあります。

45歳のある男性が、ガンの再発がわかった時の話です。最初にガンが見つかった時に非常にショックを受けて落ち込みました。それでも治療をして手術を受け、これで大丈夫と思っていたのですが、再発をしました。ただその時は、1回目とは少し気分が違いましたと言っていました。ある種ホッとしましたというのです。まだ自分の子どもは中学生で、これから高校に行き、大学に行く、家のローンもある、家族も食わしていかなければいけない、なんとか自分がその責任を果たしたいということで、クビになってはいけない、娘が嫁に行く時には、少しでも役職は上の方がいい、会社の部長として結婚式は迎えさせてやりたいというように、父親としては非常に大きな責任を持っているのです。そういうようにして下げたくない頭も下げ、家に帰ったらグチもこぼさず頑張っています。このまま自分が働いていて今の中学生の子どもを大学に行かせるまで、娘を嫁に出すまで、立派な父親でいられるかと思うととても不安だった。このガンで万が一に亡くなることがあったら、立派な父親のまま保険金で子どもを大学まで行かせられる。そう思ったらある種ホッとしたと言うのです。母親には考えられない心理ですが、彼の心の欲求があるのです。

やや話は変わりますが妻と愛人のちがいについてご存じでしょうか。愛人は親戚付き合いをしなくていいのです。ですから今日は仕事でミスをして「ボケ」と言われたんだと話をしても、妻は「みっともないわねー。はずかしい。誰にも言わないでね。」となります。愛人は「へえ、そんなんだぁ。私むずかしいことわからないし……」となります。愛人は頭がわるいというわけではなく、愛人は何を言っても受け入れてくれ存在なのです。別に親戚付き合いもないので見栄を張らなくてもいいのです。そういう楽なところがあります。

そのように楽なところがあると眠れるのです。プロジェクトの代表になったということですと、妻は「よかったわね」と言って親戚中に言い回ります。そう言われれば言われるほどプレッシャーを受けます。眠れなくなります。そうなるとお酒を呑みます。少しお酒を呑むと視床下部が麻痺してドーパミンという気持ちのいい物質が出るので少し眠れるようになります。しかし少ししか眠れないのでまた眼が覚めます。そこでもっと呑みます。いっぱい呑むといっぱい眠れます。しかしいっぱい呑み過ぎると次の日の調子が悪くなります。そこで午前中は考えられず、午後になって焦って考えるのですが、午前中の手前もあり急にがたがたするのもかっこうが悪いと思っている内に夜遅くなります。これを繰り返します。しかし眠れない時にお酒を呑むと安らいだ気持ちにはなります。お酒を呑んでもドーパミン、セロトニンという物質が出て緊張をやわらげてくれます。これらはストレスがかかると出るノルアドレナリンという物質をやわらげてくれます。

身体の欲求はわかりやすく確実に充足されると言いましたが、こちらの方はむずかしい企画書、大失敗はしないでほしいという欲求は、お酒を呑んでやわらいでも永遠に安心にはつながりません。一時的な安心感、一時的な気持ちのよさ、一時的な睡眠はつくってくれるのですが、根本的、本質的にその欲求を充足してくれるわけではありません。ストレスがあれば呑む、人間関係でいやなことがあっても呑む、うまくいかないことがあったり、緊張があったり、悪口を言われている、いじめられている、自分は会社の中で重要な役割にいないのではないかというようにさまざまな思いがあると、心の欲求はそのつどそれを解決する方向にいかずに呑むとか食べるとか、発散的に悪口を言うとか、ギャンブルをするということにつながります。場合によっては覗く、盗む、買う、暴走するというようなことも同じように気持ちがいいという快感を与える物質を出してくれます。

ストレスがかかった時に呑んだり食べたりしたことで気持ちがよくなり安らいだ人は、「呑む・食べる」コースで生活習慣病やメタボリックシンドロームの予備軍です。

しかし手鏡とかビデオで「覗く」コースで気持ちがよくなる人は、犯罪で捕まってしまいます。場合によっては身体の欲求で女性と不倫をするというようなセックス行動のようなものに走る。学校の先生が嘘の日程表を作って2人きりの修学旅行に行ったりします。校長室から不倫相手に脅迫メールを送ってみたりする。こういうような行為も、やはり快感を得られます。ギャンブルとかジェットコースターなどもそうで。こういう「暴走」コースもあります。

心理学的実験ですが女性をデートに誘う時にジェットコースターにいっしょに乗ります。そのスピード感で興奮して「キャァー」と叫びます。その「キャァー」がジェットコースターに乗って興奮したのか、その人を見て「キャァー」と言ったのかの識別が脳ではできません。したがってその時に隣にいた人は好きになる、好感を持つと言われています。

車でドライブをして気持ちがよくなり、ジェットコースターに乗り興奮する、レストランでおいしいものを食べ、きれいな夜景を見ながらワインを飲む。そうなると快感を得る物質がバンバン出てきます。デートコースというのはそういうもので選ばれています。そしてお化け屋敷です。

そういうことで色々なストレスがあるたびに「呑む・食べる」コースを選んできた人は生活習慣病を起こします。本来はエネルギーを全部、問題解決に向けるのがいちばんいいのですが、

しかし同じずれるのであれば「覗く」コース、「不倫」コース、「暴走」コースに行くよりは「呑む・食べる」コースの方がましです。ご主人が会社をクビになる時に、盗んでクビになるのと、糖尿病で眼が悪くなり会社を辞めることになったというのとどちらがいいかということです。どうせどちらかに行くのであれば、こちらの方がいいということです。

ストレスがありスピードを出しすぎて交通事故で死んでしまったら、元も子もありません。「覗き・不倫」も問題でしょう。

私が保健師さん、栄養士さんにぜひ言いたいのは、この生活習慣病のコースに来てくださった方の選び方は正解だと言ってほしいのです。代償行動ではありますが、すぐに死ぬことはないという意味でもいいのです。ストレスがたまり太ってしまったのだなと気づけるし、捕まらないし、かっこうも悪くありません。そういう意味ではよくぞこのコースに来てくれました。ウェルカム、私のコースはいいですよと迎えてほしいのです。

貧しいわけでもないのにそんなに食べないでと思わずにいてください。ストレスがあり、自分の中でドキドキしながらストレスをコントロールできずにいるので、無自覚にここに来ているのです。その無自覚から気づかせるためには何か症状がないといけません。気づくための症状にも事故とか不倫、クビなど色々あると思いますが、よくぞこのコースを選んでくれましたねと心の中で思ってください。しかし、口には出さないほうがいいでしょう。

このコースに来てくれたというのはいいことなのです。ただそれをそのまま放置しておくと肥満や血清脂質異常や糖尿病や動脈硬化になって三大死因であるガン、心臓病、脳血管疾患の方に行ってしまいます。

心の欲求でありながら、どうも呑む・食べるということの結果、身体に症状が出ているという心理的仕組みがあります。いくら食べるのをやめましょう、お酒を呑むのをやめましょうと減らしてみても、モグラたたきのようなものです。大元は自分自身のストレスにあるのですから、それに気づいてもらうことです。

行動変容支援のコミュニケーションをしていくためには

行動変容支援のコミュニケーションをしていくためには、まずヘルスガイダンスです。知識や情報をお教えするという方法です。この時にもこれからこういうことについてお話をしようと思いますがいかがですかというやり方をとります。

そしてヘルスコンサルテーションです。こうしてみたらどうでしょう。このような方法はいかがですかとアドバイスをします。

ヘルスアセスメントですが、これは栄養士さんが得意な方法でしょう。原因はどのようなところだと思いますかと聞くと、「そんなにいっぱい食べることもないし、間食もしないし」と返ってきます。そうなると「そんなはずない!」とスイッチが入ってしまいます。それでは朝はパンですかご飯ですか。ご飯は味噌汁をつけますか。味噌汁は1日何杯飲みますか。野菜の他に漬け物は食べますか。パンにはバターですかマーガリンですかジャムですか?パンは何枚切りを何枚ですか?・・・と尋問になってしまいます。異常な勢いで絶対に聞かないと気が済まなくなります。そういうことなのでアセスメントは得意だと思うのですが、もう少し冷静にやりましょう。本日は原因がどこにあるのかを見つけるために1日のだいたいのお食事をお教えいいただいてもよろしいですかとご了解をいただいてから、こちらの用紙に従ってお聞きしたいと思いますと始めてください。

それで聞き取りをしていきます。この時も、「干物は週に何回ぐらいめしあがりますか。」に対して「まとめて買うのでけっこう多いです」と答えた途端に、「それは塩分が多いから控えてください」言い、「漬け物は好きなので大皿に出します」と聞くと「それはだめです、無自覚のうちに食べ過ぎますから小皿にしてください」何か答えを聞くたびにだめ出しをするのはやめましょう。そういう方法ではなくしっかり聞いてからアセスメントをしてください。

目標化カウンセリングでは、さしあたっての目標、これからどのようなことをやろうと思いますかというものです。

それから、過去に依存体験、無力体験がある人は、自己効力化カウンセリングとなります。

日常的にイライラすると食べてしまうという人はストレスカウンセリングです。

生育の中でイイコ心(自己抑制心)や依存心があり、そういう傾向がストレスをためやすいという人は行動変容のフラッシュバックカウンセリングです。

「動機がない」「完璧です」「やめる気はありません」と言うような人には共感的傾聴法となります。

その患者さん自身、クライアントさん自身が今、どのような状況にいらっしゃるのかということを最初の5分ぐらいで見きわめていただいて、今日はどれをやったら効果があがるかという方向でコミュニケーションをとっていきます。

患者様の状況 チェック項目 支援技法
理解は
あるか?
疾患について
食事療法について
改善点・方法について
ガイダンス
食アセスメント
動機は
あるか?
食事療法の必要性について
願望・理想について
共感的傾聴法
(リスニング)
ガイダンス
コンサルテーション
行動目標化カウンセリング
負担は
何か?
心理・社会・経済・身体・
物理的負担・
妨げやあきらめ感情・
ストレス環境について
コンサルテーション
行動変容カウンセリング
ストレスカウンセリング
自信は
あるか?
自己効力感について 自己効力化カウンセリング
支援は
あるか?
理解者・協力者について アサーションスキル
ガイダンス

まず5分以内にクライアントさんの状況を見きわめなければいけません。

この患者さんは何を食べるとデータが悪くなり、何を食べるとよくなる。どこがまずいのか、どこをどう変えるとよくなるのかということわかっているかどうかをみます。わかっている人はいいですが、わかっていないのでしたら教えた方がいいです。そこでガイダンスあるいは原因がわかっていない時には食アセスメントということになります。3kgやせなければいけない、やせられそうですかと聞いたら、やせられそうもないと言うので、いきなりそれではカウンセリングをしましょうかと言ってもだめです。何が原因で太っているのか、やせられないのか、どのような食べ方まずいのか、運動のしかたがまずいのかということをわかっていてできないのとわからないからできないのはちがいます。わからないなら、まずはそのことを理解していただくということです。きちんと守っているが変らないということは、守っている中身がどうもちがうようだということです。原因がわからない、聞いたことがありませんという人には、それでは教えましょうということでガイダンスをやります。

次に動機があるかないか。行動変容をしよう。もう少しやせよう。血圧を下げよう、自分の状態を変えていこうという動機があるかどうかは重要です。動機がないとなかなか変れない。たとえば行けと言われたから来ましたとか。家族がうるさいから来たという方、話は聞くけれどやめる気はないという方、痛くもかゆくもない、とくに何も困っていないという方は、あまり変る気はない、悪いと思っていません。そういう方には、医者に行けと言われた時にはどのような気がしましたかとか、ご自身でデータを見た時にはどのようなお気持ちでしたかと話します。

話は聞くけれどお酒はやめる気はないという方には、やめる気がないのに来ていただいたのですね、ありがとうございますと言い、それでも来たというのはどのようなお気持ちからですかとさりげなく気持ちを聞いていきます。共感的傾聴法(リスニング)です。行動をとる背景には必ず欲求がある。少なくとも来たというからには何か欲求があるはずです。その欲求は何か。それが意外に次の動機につながってくる。あるいはなんだかわからないが、だめと言うから来たのだ、それほどだめなのという方には、少しどれだけだめかということを教えてあげるようにします。

次は負担です。わかっているけれどできないという方には、理由の1つに、これくらい食べたら何キロカロリーと聞いてはいるのだが、どこでどう調達したらいいかわからないという方にはコンサルテーションをしてアドバイスをします。

わかっているので通常は守れるのだが、会社でこういうことがあるとできなくなるという方にはストレスカウンセリングです。

イイコがあり、依存心がありできない。あるいは憐憫がある、感情認知困難度があるという方には行動変容カウンセリングで、フラッシュバックカウンセリングです。

次に自信があるかどうかです。自分のことを自分で決めていくという自信があるかどうかというのは、自己効力化カウンセリングです。私は昔から三日坊主なのですという方、これ以上は無理、自分で自分のことを決めることはできないと思っている人には、自信を回復していけるような、過去のイメージを検討していくというカウンセリングです。

それからサポート、理解者、支援者はいるかどうかです。間食を止めようと思うのですが職場で自動的に配られるものをなかなか断れないという方には、「私は、この前の検診で〜〜という結果だったので、〜〜しようと思うから、とにかく悪いけれど私の机の上におやつをしばらく置かないで、見せないでください」とお願いをしてもらうようにします。そのお願いができるというのをアサーションと言います。この時には、「私は〜」と言えることが大事です。「あなた、まんじゅうばかり買ってこないでよ、太るでしょう」と「あなた」を主語にあいてはだめです。アサーティブに伝えられるというスキルがクライアント自身に必要です。透析にしても孤独の中で水分コントロール、リンコントロールをやり続けているのはとてもつらいことですから、誰かそれを理解してくれる。応援してくれる仲間とか家族がいたほうがいいのです。ただそう言ってもいない時は、どうぞみなさんが支援者、理解者、共感者になってあげてください。

このように、その方の状況がどういう状況に今あるかということを見きわめた上で支援のためのコミュニケーション法を使い分けてください。

日本を変える指導者を目指して・・・

私たちは頭でわかっているからといって行動に移せるものではありません。自分の考え方や気持ちには癖というものがあり、そのパターンがストレスを生み出してしまったりすることがあります。

パターンは生きていくための原動力でもあるのですが、その一方で健康にとってよくない、社会的逸脱であったり、過剰なリスクがあるというものに対しては修正をしていく必要があります。

そういう中で健康管理を、本当に自分が自分らしくのびのび、生き生きと生きていくためのサポートとして行なう。そしてそれが少しずれていますよというメッセージが、病気や問題や障害であったりするのですが、その中でも病気はいちばんありがたいものだということを覚えていてください。

よくぞこのコースを選んでくださいました。私のところに来てくれたのは正解ですと言えるような支援をしていただきたいと思います。

これから保健師さん、栄養士さんなど患者様を支える皆さんは日本の注目の人です。皆さんが本当の意味で日本を変える人になっていただくことを期待したいと思います。

ソーシャルスキル・ネットワーク(株)代表取締役 小森まり子

 

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