なぜ、指導がうまくいかなかったのか?

指導のための 12のステップ

患者様のことを考え、熱心に指導しているのに、 なぜうまくないのでしょう。

実は指導には基本となる12のステップがあるのです!指導するときは、丁寧にわかりやすく、正しい情報を伝えるだけではなく、以下の12つのステップが大事です。

指導のための12のステップ
1
まず、データや原因について、どのように感じているかを相手に聴く。
2
そのうえで、何について説明、指導するか提案し、相手から了解を得る。
3
相手の反応が悪い時には、「いかがですか?」「気になっていることはなんですか?」などと気持ちを聴く。相手からの発言があった場合は、そのことを優先して話をする。
4
相手のうなずきを確認しながら、説明(ガイダンス)をする。
5
問題点を見つけ出そうとして質問攻めにせず、本人に問題点は何だと思うかを聴く。
6
相手の反応が悪い時は、「何かご質問はありますか?」など相手の発言を促す。
7
どのような話でも、相手の発言を否定しないで受け止め、相手の立場になって繰り返す。
8
指導者の気持ちは、表情や態度、語調に出るので、常に相手に対して好意的な気持ちを持ち続ける。
9
一通りの説明(ガイダンス)を終えたら、感想を聴き、必要に応じて追加説明をする。
10
できそうなことはどのようなことかを、自分から話してもらう。目標は具体的で、できそうなことかを確認する。
11
必要があれば、目標の提案をしてもいいが、無理強いはしない。
12
相手の自信や意欲を高めるために、相手の良い点を言葉にして伝える。

新人栄養士花咲さん(仮名)のその後
〜共感力は患者様を勇気づけた〜

→花咲さんの悩みの内容はこちら

花咲さんは、患者さんに「そんなこと言ってもね。私のように年をとると、食べることくらいしか楽しみがないのよ。あなたのような若い人にはわからないでしょうねぇ」と悲しそうな表情で言われるような時に、共感的にその言葉を繰り返してみました。

その結果、患者様の心の中に潜んだ本当の気持ちを聴くことができました。「私は厄介者なんです。嫁に遠慮して何もやらないでいます。」花咲さんは、この気持ちも共感的に繰り返しました。

すると、患者様は「いじけた気持ちでいたらダメですよね」と笑顔を見せ、「あなたと話をしていたら、元気が出てきました。私も若い人のように、食べること以外にも、たくさん楽しみをみつけていきたいわ」と元気に帰って行きました。

花咲さんは、「栄養指導は、教えるだけではなく、気持ちを聴いてあげることも効果をあげるのに重要だな」と思いました。

ベテラン保健師立花さん(仮名)のその後
〜気持ちを聴いたら心が開いた〜

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患者さんが「先生みたいで嫌だった」と言っていたことを知った立花さんは、その後の面接で一方的に教えるのではなく、原因や相手の考えを聴くことを優先してみました。

「どんなときに、食べていると思いますか?」と聴いたところ、「職場でいやなことがあったりするとどうしても、お菓子やケーキが食べないではいられないんです」と自分で原因を教えてくれました。

その職場の話を共感的に聴き、「そんなストレスを抱えていらっしゃるんですね」と伝えたところ、患者さんは「人にイライラしないで、自分のやるべきことを大切にすればいいですね」と肩の荷が下りたかのように明るく言いました。

立花さんは、「人はストレスがあると、食べてしまうんだな」「正論だけで対応しても、うまくいかないんだな」と気付きました。

熱血看護師華山さん(仮名)のその後
〜指摘を止めたら決意が見えた〜

→華山さんの悩みの内容はこちら

尋問形式で根掘り葉掘り原因追究をしていたことに気づいた華山さんは、「血糖値が高い原因は、何だと思いますか?」というように質問のしかたを変えてみました。

すると、患者さんは「夜食にチーズとワインをどうしても我慢できないことかな。あと、お土産でもらったお菓子を断わり切れず食べてしまうことですかね」と自分で原因を答えました。

「それをどうできるとよいですか?」と質問を続けると、患者さんは「前々からやめようやめようと思っていたんです。やっぱりそれを変えるときが来たんですね」と言い、「人に言われるとやりたくないけど、自分で決めたらやるタイプなんです」と自信満々に答えました。

華山さんは「指摘するほど、相手は意固地になって気付きを邪魔するんだな」と学びました。

さらに STEP UP!

指導効果をさらに高めるためには、ご紹介した「指導のための12のステップ」のほかに、人間の心理や行動についての理論と技術が必要です。

必要なコミュニケーション法
 ★説明(ガイダンス)法 → 「指導のための12のステップ」のことです。
 ★アセスメント法
 ★コンサルテーション法
 ★行動目標化カウンセリング法
 ★ストレスカウンセリング法
 ★自己効力化カウンセリング法
 ★行動変容カウンセリング法
 ★アサーションスキルガイダンス法
 ★共感的傾聴法 など

まだまだ、たくさんの効果的なスキルがあることがわかります。

患者の状況に合わせて支援スキルを変える必要が必要!
〜行動変容のための支援法〜

患者様の状況 チェック項目 支援技法
理解は
あるか?
疾患について
食事療法について
改善点・方法について
ガイダンス
食アセスメント
動機は
あるか?
食事療法の必要性について
願望・理想について
共感的傾聴法
(リスニング)
ガイダンス
コンサルテーション
行動目標化カウンセリング
負担は
何か?
心理・社会・経済・身体・
物理的負担・
妨げやあきらめ感情・
ストレス環境について
コンサルテーション
行動変容カウンセリング
ストレスカウンセリング
自信は
あるか?
自己効力感について 自己効力化カウンセリング
支援は
あるか?
理解者・協力者について アサーションスキル
ガイダンス

患者様が満足する素敵な指導者になるには・・・

3人は「指導のための12のステップ」で随分患者様への関わり方が上手になりましたね。

そして、「指導のための12のステップ」を使った説明(ガイダンス)技法以外にも、まだまだたくさんの行動変容支援技法がありました。

患者様のひとり一人の状況に合わせた行動変容支援技法を学ぶことで、患者様が満足する素敵な指導者になることができるでしょう!

きっと、仕事がもっと愉しくなりますね。

 

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